「気持ちだけは若いつもりでも・・・」
5月28日、70歳になると高齢者講習の修了証書をもらわないと、次の免許更新ができません。
高齢者講習が義務付けられた社会的背景にはもちろん、
高齢者が運転する車で多くの人命が奪われる深刻な重大事故が相次いだこともあります。
「バリアだらけの自動車学校」
私が高齢者講習先として選んだ自動車学校の玄関先には、入り口に5、6段の階段がありました。
階段の下から「恐れ入りまーす」と大声で呼びかけました。女性の事務員さんに加え、
男性で私と同世代と思える3、4人の講師の方が出てこられましたが、車いすの私をみても特に驚いた風ではなく、
慌てもせずに、4人は必要なところ、最初2人で抱えられたので、逆に私が慌てました。
結局、3人がかりでぎこちなく抱え上げて貰いました。
「講習室まで2カ所の階段」
入り口で建物のバリアの様子が分かりましたが、講習室に行くまで3段の階段が2ヶ所ありました。
これじゃ、障害者の免許取得者はこれまで1人もいなかっただろうと、確信しました。
それに当然ながら改造された教習車はありませんでした。
「数字に表れている高齢者の事故」
講習の始まりは、高齢者が関わる様々な事故や死亡者、負傷者を分析した表の説明から始まりました。
気持ちは若くても私も立派な高齢者であることを認識せざるを得ませんでした。
また視力検査も昔のように棒で指す方法ではなく、機械を覗き込み、映像によるものでした。
固定視力だけでなく、動体視力も検査されました。視野も検査され、結果表に、
50代や60代の平均より劣ると評価されました。
高齢者であることをこれでもか、これでもかと言うぐらいに思い知らされました。
「同世代の講師の想い」
しかし、全ての講師の人が穏やかな口調で、車を運転する時に高齢者である私たち、
受講者が事故の加害者にならない様に、との熱い思いに溢れている感じでした。
「生徒の気持ち」
座学の講習のあと、車に乗車してコースを回りましたが、改造教習車がない為、私の車に講師が同乗し、
車庫入れ、クランク、S字コースなど一周しました。私の運転ぶりを見ての講師の方のアドバイスが、
実に穏やかで丁寧な口調なので、指摘を受けても素直な気持ちで受け止められました。
「気を引き締めて運転」
座学、乗車実習が済み、修了式で修了証書が6人の同級生(?!)に手渡されました。
私は、日常生活の移動手段として、まだ車を手放せません。
しかし、今後、高齢者ドライバーとして他人の人生を一変させる様な事故を起こさない為にも、
改めて車を運転する際には、気持ちを引き締めて運転しようと決意した1日でした。
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