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◇◇ 2021年12月23日(金) ◇◇

「創立30周年に寄せて」

 ヒューマンネットワーク熊本が創立されたのは30年前の12月8日でした。
創立時のメンバーとして、感想を求められましたので、以下にその文章を掲載いたします。

 『創立から30年~地域での活動』
1991年12月8日、忘れもしないヒューマンネットワーク熊本が創立された日、 大江公民館には誰も想像もしなかった100人を超える障害者が集まりました。障害者の仲間たちの問題を、 自分たち自身で相談に乗り、自分たちの問題や課題がどこにあるのかを社会に問い、 解決に向けて明らかにしていこう、と創立大会参加者の誰もが高揚していました。
障害者が、施設ではなく地域で暮らす、街で暮らす。 この当たり前のことが必ずしも当たり前ではなかった時代にヒューマンネットワークはうぶ声をあげたのです。
まず取りかかったのはこれからの社会の担い手である子どもたちへの啓発活動でした。 私たち障害者をきちんと理解して欲しいと「車いす」をツールに、 学校を訪問し交流する「ふれあいキャラバン」は、求められれば県下全域を回りました。 訪問する回数は多い年には80校を越えました。
このふれあいキャラバンはとても好評で、屈託のない子どもたちの笑顔や驚きの表情に出会い、 私たちは日を追うごとに段々と自己肯定感を持ち、自信を深め始めました。 次に印象的な活動として、選挙が施行されるときには、必ず事前に「バリアフリーデザイン研究会」と一緒に、 投票所のバリアフリーを求めて、選挙管理委員会に申し入れをしたことです。 その都度マスコミが取材し、申し入れの様子を報道をしたことで、 ヒューマンが目指したバリアフリー社会と共に障害者の基本的な権利である投票権を強く社会にアピール出来たと思います。 投票所施設を提供する教育委員会、公民館や市民センターを管轄する市民部局へ与える影響は大きいものがありました。 また、バリアフリーを意識した民間の建物を自薦、他薦で探し出し、 自分たちで審査し表彰する「バリアフリーデザイン大賞」も強く印象に残っています。
1995年の記念すべき第1回の大賞は、熊本学園大学を選びました。 翌日の新聞には岩永学長へのインタビュー記事が写真入りで掲載されました。 表彰状も副賞の盾も仲間がデザインし、作業所の仲間が窯で焼き上げたものでした。 「以下同文」ではなく、選考理由を表彰状の文言にしました。世界に二つとない表彰状と副賞の盾。 ヒューマンネットワークが目指す社会や街を象徴するものでした。
一人の人間として『街で暮らす、地域で生きる』をモットーに、 今後も活動することを願いながらこれまでの活動を思い起こしました。