『サヘル・ローズさんの講演会』
県内3つのフォスタリング機関が合同で行う里親制度の理解を広げるための講演会が県立劇場で開催され、
大いなる期待を持って参加しました。
俳優のサヘル・ローズさんは、1985年 生まれでイラン出身。イランから養母と来日し、
「出会いこそ生きる力」とのタイトルで、想像を超えた壮絶な体験を話されました。
生きる場所や年齢、さまざまな大人たちとの関わりの中で、揺れ動いたサヘルさんのその時、
その時の心の内を紹介しながらの講演会でした。
サヘルさんは、混乱するイラン社会で4歳から児童養護施設で暮らし、7歳のとき、
現在のお母さん(養母)と巡り会ったそうです。生母の顔は全く覚えておらず、
数奇な人生体験を話されました。
実の親から虐待を受け、心に傷を負った子どもたちが、親から引き離されて生きる子どもたちの
苦難の人生については、日本では、あまり知られていません。
児童虐待の相談件数は、統計を取り始めた1990年から31年間に渡り、右肩上がりで増え続けています。
2021年にはとうとう年間20万件を超えてしまいました。実の親では育てられなくなる「児童虐待」は、
子どものその後の人生をとても困難なものにしてしまいます。
国は、平成28年の「児童福祉法改正」で、里親制度の推進に大きく舵を切りました。
実親からの虐待で、親への愛着形成が出来なかった子どもたちも、その後の大人の関わり方次第では、
大人を信頼できる様になるそうです。
里親制度の推進のためには、社会の大人全体が関心を持たないといけない重要な課題です。
児童虐待が増え続ける社会を、私たちは、どうすべきか。里親制度への理解は私たち大人にとって、
全ての子どもたちに対して、責任を果たすための一歩でもあります。
|