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村上ひろし

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2021年 1月16日(土)
「医療現場 綱渡り」

 新型コロナウイルス感染者の急増で、県内の医療体制が逼迫し、 もはや「医療崩壊」と言っても過言ではない、 と現場の医師からは悲鳴にも似た声が上がっています。
そして、さらに続けて、どの患者の治療を優先するかを選ぶ 『命の選別』は明日からでも起きる、と警戒しているとの記事。

医療現場 綱渡り

これは1月15日の熊日新聞の1面です。
私は、日本全国、どこの自治体でもコロナ禍の大変な状況であることは十分認識しています。
しかし、記事の大きな見出しにある『命の選別』という表現を見ると少なからず動揺します。

第二次世界大戦のとき、ナチスドイツのヒットラーが、 アウシュビッツの強制収容所で多くのユダヤ人の命を奪ったとき、 同じように障害者も劣等のレッテルを貼られ、多くの命を奪われた歴史があります。

記事を書いた記者には障害者の命を選別する気持ちなど、さらさらないと信じますが、 熊本市の病床稼働率が9割を超える状況がさらに進んだ場合、もし仮に、 社会にとって誰の命を優先するのか、と言う議論になった時、 果たしてそれは障害者だけでしょうか?

高齢者の人たちも含め、弱い立場に置かれている人たちは、きっと身をすくめるのではないでしょうか。

社会状況がどんなに厳しくても、不要な命などないことを、あえてお伝えしたいとの想いです。